スマートリングで結局何ができるのか、分からないまま気になっている人は多いはず。ぼくも「スマートウォッチで十分じゃね?」と思っていました。

そうは言っても使ってみないと分かりません。市場に出回っているスマートリングを、9機種ほぼ全種類使い込みました。

  • Oura Ring 5 / Oura Ring 4
  • RingConn Gen 3 / RingConn Gen 2
  • SOXAI RING 2 / Monomam Ring
  • b.ring G2 / b.ring G1S
  • EVERING

この記事では、そのすべての体験をもとに「できること・できないこと」を整理します。購入前に読むと、期待値のズレを防げます。

スマートリングが「できること」

睡眠トラッキング

Oura Ringの睡眠計測
Oura Ringの睡眠トラッキング画面

スマートリングの最大の得意技は、睡眠計測です。

睡眠時間、睡眠ステージ(浅い・深い・レム)、心拍数、HRV(心拍変動)、皮膚温度、SpO2、呼吸数。指につけたまま寝るだけで記録してくれます。

睡眠時無呼吸のモニタリングに対応するのは、9機種のうちRingConn Gen 2とRingConn Gen 3だけ。公称の検出精度はどちらも90.7%です。

本体価格が上がったGen 3でも、ここの精度は変わっていません。

RinnConnのアプリ
RinConnの睡眠時無呼吸モニタリング画面

2026年に出たOura Ring 5は、Oura Ring 4よりボディが約40%小型に。重さもほぼ半分です。着け心地は睡眠計測の継続率にそのまま効くので、地味に見えて大きな進化です。

スマートウォッチで寝ていた頃は、手首のゴツい塊が苦手で、気づけば外していました。

リングに変えてから、その問題がなくなりました。数グラムなので着けていることを忘れる。だから結局、毎日ちゃんとデータが残るんですよね。

睡眠スコアとして数値化してくれる製品がほとんどで、「昨日はよく眠れたか」が起きてすぐアプリで確認できます。

心拍数・HRV・SpO2の24時間計測

光学式PPGセンサーで、日中も夜間も継続的に心拍数を計測します。HRV(心拍変動)は自律神経の状態を示す指標です。回復度合いやストレスの管理に使われます。

RingConnのアプリその②
RingConnのバイタルサイン画面

血中酸素濃度(SpO2)も計測できる製品がほとんど。高山病の兆候や睡眠時の無呼吸と関連し、「体が酸素を使えているか」の目安になります。

スマートウォッチでも測れますが、指のほうが皮膚密着度が高く、精度が安定しやすい構造です。

ただし、ここに追加費用がかかる機種があります。Oura Ring 4とOura Ring 5は月999円のOura Membershipが必要。RingConn Gen 2・Gen 3は不要です。

もう一つ、b.ring G1SはHRVを測れません。同じシリーズのb.ring G2にはあるセンサーですが、8,800円という価格のために省かれています。

SpO2とは?

血液中の酸素の割合を示す数値で、正式には経皮的動脈血酸素飽和度といいます。

簡単にいうと、血液がどれくらい酸素を運べているかを見る指標です。

  • 通常は 96〜99%前後が目安
  • 90%を下回ると酸素不足が疑われ、注意が必要
  • 睡眠時無呼吸では、呼吸が止まることでSpO2が下がることがあります

測定は、指先などに「パルスオキシメーター」という小さな機械をつけて行います。痛みはありません。

皮膚温度・呼吸・ストレスの計測

SOXAI RINGのアプリ
SOXAI RINGのストレス計測

皮膚温度センサーがある製品では、体温の微細な変動を記録できます。体調の変化や月経周期の予測に使えます。

b.ring G1Sはここも非対応。HRVと同じで、コストダウンのために省かれています。

呼吸数もトラッキング対象。SOXAI RING 2には睡眠中の呼吸の乱れを検知する機能があります。

特定の日だけ呼吸数が乱れているのが見えて、生活習慣を見直すきっかけになったことが何度もあります。

ストレス指標も多くが対応。HRVをもとにアプリが「今日はストレスが高い」と教えてくれます。

歩数・活動量の計測

加速度センサーによる歩数計測は、ほぼすべてのスマートリングが対応しています。消費カロリーの推定もできます。

b.ring G2にはカロリーAI(beta版)という珍しい機能があります。料理を撮影するだけで、タンパク質・脂質・炭水化物とその日の残り摂取可能量を自動計算。

外食が多い人には刺さります。同じカロリーAIはb.ring G1Sにも載っていて、こちらは8,800円からとさらに安い。

b.ringのアプリ
b.ringのカロリーAI画面

運動記録(製品による)

Monomam Ringでは19種類のエクササイズモードに対応しています。ウォーキング・ランニング・水泳など、運動の種類を選んで記録できます。

Monomam Ringアプリ画面
Monomam Ringのアプリ画面

ただし、スポーツ中の計測精度は正直スマートウォッチに軍配が上がります。

スマートリングには画面も物理ボタンもないので、運動中に種目を切り替えたりラップを取ったりする操作ができません。

「なんとなく記録される」で十分な人には問題ありませんが、フィットネス本気勢には向いていません。

サウナ・お風呂・プール(防水性能)

スマートリングの防水性能は高く、いずれも水場全般で使えます。

  • 100m防水 — SOXAI RING 2 / Oura Ring 4 / Oura Ring 5
  • IP68 — RingConn Gen 2(RingConn Gen 3は10気圧=100m相当)
  • IP68 + 5ATM相当 — b.ring G2 / b.ring G1S

サウナも含めて、基本的に濡れることを気にしなくていい製品ばかりです。

決済専用のEVERINGだけは事情が違います。防水機能自体はありますが、リングの内側に水が残る感触が気になるため、水回りでは外して使っています。

ここはスマートリングの大きな強みです。サウナや銭湯で「腕時計は外してください」と言われても、指輪は誰にも気づかれません。サウナ中も計測が続きます。

サウナに行った日は睡眠の質が上がる傾向もデータで確認できました。通う理由がひとつ増えた。

詳しくは下の記事にまとめています。

スマートリングはサウナやお風呂にも最適のウェアラブル端末だった話 のサムネイル

スマートリングはサウナやお風呂にも最適のウェアラブル端末だった話

SOXAI RING 2をサウナ・お風呂・プールで1ヶ月使った体験レビュー。100m防水で濡れを気にせず、指輪なので施設で注意されない。サウナ後の睡眠スコアが上がる発見まで正直に書きます。

非接触決済(EVERING)

EVERINGは少し異色です。ヘルスケア機能は一切なく、Visaタッチ決済に特化しています。

コンビニや外食で手をかざすだけで支払いが完了。9機種のうち決済に対応しているのはEVERINGだけです。

EVERINGアプリ画面
EVERINGアプリ画面

スマホを取り出す手間がまるごとなくなるのは、想像以上に快適です。カバンからスマホを出す回数が多い人ほど刺さります。

充電も不要で、アクティベーションから約3年間そのまま使えます。カードはVisaのほか、Mastercard・JCB・American Express・Diners Clubにも対応。

EVERINGに関してはこちらの記事で詳細を紹介しているので、気になる方は読んでみてください。

EVERING NEON BUZZレビュー|リング型クレカの正直な使用感 のサムネイル

EVERING NEON BUZZレビュー|リング型クレカの正直な使用感

EVERING NEON BUZZを実際に購入して使用。充電不要のリング型タッチ決済の使い勝手、Oura Ringとの違い、セットアップの落とし穴まで体験ベースで解説。1万円台で買えるサブ決済の新しい選択肢です。

AIによる健康コーチング

Oura は Ring 4 も Ring 5 も同じアプリなので、ここは世代で変わりません。睡眠スコアやコンディションスコアと並べて、健康アドバイスが届きます。

ただし睡眠ステージの内訳やHRVの推移といった踏み込んだ分析は、月額999円のOura Membership 側です。

  • RingConn Gen 2 — アプリのAI解析でパーソナルな改善提案
  • b.ring G2 — AIチャットボット
  • b.ring G1S — AIレポートとAIチャットボット(いずれもbeta版)。上位のG2と仕組みは基本的に同じ

数値を見せるだけで終わるのか、「じゃあ次どうする」まで提案してくれるのか。ここは製品によってけっこう差が出ます。

スマートリングが「できないこと」

画面への通知表示

スマートリングには画面がありません。スマートフォンの通知(LINE・メール・着信など)をリング上で確認することはできません。

これはスマートウォッチとの根本的な違いです。データの確認はスマートフォンのアプリを開いて行います。

バイブレーションアラーム

スマートウォッチの目覚ましは振動で手首をそっと叩いてくれるので、隣で寝ているパートナーを起こさずに済みます。スマートリングでは、これができません。

スマートリングとスマートウォッチ
スマートアラームという点ではスマートウォッチが優れている

補足すると、RingConn Gen 3のように振動モーターを積んだ機種も出てきました。ただ、その振動は健康通知用で、目覚ましには使えません。

Oura も公式のヘルプでこう書いています。「振動式・非振動式を問わずスマートアラーム機能はなく、近い将来のロードマップにも入っていない」(2026年9月時点)。

「振動するリングはあるが、振動で起こしてくれるリングはまだ無い」が現状です。

乗り換えて唯一スマートウォッチに戻りたくなるのが「朝のアラーム」です。スマホで解決はしますが、静かに自分だけ起きる体験はできません。

GPS計測

現行のスマートリングはGPSを内蔵していません。ランニングやサイクリングのルートを記録したい場合は、スマートウォッチかスマートフォンが必要です。

「移動ルートを地図上で可視化したい」「ペース計測をしながら走りたい」という用途には向いていません。

精密なスポーツトラッキング

画面・ボタン・GPSがないため、スポーツ本気勢のニーズには応えられません。

  • ランニングのラップタイム
  • インターバルトレーニングの管理
  • 水泳のストローク数計測

こうしたフィットネス特化の用途は、スマートウォッチが圧倒的に上です。

スマートリングでできる運動トラッキングは「したことを記録しておく」レベルです。計測しながら運動を制御したい人には不向きです。

充電中の着用

スマートリングは充電中に外す必要があります。充電ケースに入れるタイプや、専用ケーブルで充電するタイプなど製品によって違いますが、充電中はデータが途切れます。

スマートリングの充電
こんな感じで充電します。

充電ケースが付くかどうかも機種で違います。RingConn Gen 2・RingConn Gen 3は磁気充電ケースが同梱で、入れるだけで充電できます。

一方、b.ring G1Sには充電ケースがなく、付属の短いケーブルを直接挿す方式。取り回しが良くないうえ、外したときになくしやすいのも弱点です。

バッテリー持ちは製品により最大7〜14日程度あるので、「毎日充電が必要」ということはありません。入浴のタイミングで充電するルーティンを作れば、ほぼ意識しなくなります。

Bluetooth通話・音楽操作

スマートウォッチの上位モデルはBluetoothで通話できたり、音楽を操作できたりします。スマートリングにはこれらの機能はありません。

サブスクと同期方式の違い

サブスクが必要な機種・不要な機種

Oura Ring 4とOura Ring 5は、本体を買ったあとも課金が要ります。月999円(年11,800円)のOura Membershipです。無加入だと、次が見られません。

  • 詳細な睡眠分析
  • アクティビティの自動検出
  • 心拍数とHRVの推移
  • SpO2

無加入でも睡眠スコア・コンディションスコア・アクティビティスコアの3つは見られます。ただ、数値の中身まで追うなら加入前提で予算を組むことになります。

一方、RingConn Gen 2・RingConn Gen 3・SOXAI RING 2はサブスク不要です。本体価格を払えば、それ以降の追加費用はかかりません。

Monomam Ring・b.ring G2・b.ring G1S・EVERINGはサブスクの記載が見当たりません。この記事の時点では確認できていないので、メーカー公式サイトで確認してください。

自動同期の機種、手動同期の機種

RingConn Gen 2はバックグラウンドで自動同期され、データが欠けることはありません。

対照的に、SOXAI RING 2とb.ring G2は手動同期です。

  • SOXAI RING 2 — アプリを開いて同期操作をしないと更新されない。4日以上放置するとデータそのものが消えるので注意
  • b.ring G2 — タップすれば約5秒で反映。手間は小さいが、自分から開かなければ動かない
  • Monomam Ring — リアルタイム同期に非対応。定期的な同期か手動更新が必要

残りの5機種は同期方式の記載が見当たらず、確認できていません。Oura Ring 4、Oura Ring 5、RingConn Gen 3、b.ring G1S、EVERINGです。

スマートリングとスマートウォッチ、どちらを選ぶか

この比較、よく聞かれます。簡単に言うと「何を優先するか」で決まります。

項目

スマートリング

スマートウォッチ

睡眠トラッキング精度

◎(着けたまま寝やすい)

△(手首の圧迫感で外す人も)

24時間の計測継続率

◎(存在を忘れる軽さ)

△(充電や装着感で外す機会あり)

スポーツトラッキング

△(記録のみ)

◎(GPS・画面・ボタンあり)

通知確認

✕

◎

バイブアラーム

✕

◎

サウナ・お風呂

◎(見た目が普通の指輪)

△(施設によって注意される)

着け心地

◎(2〜3g)

△(30〜50g程度)

「スマートウォッチを着けて寝るのが苦手で、睡眠データを正確に取りたい」。そういう人にはスマートリングが圧倒的に向いています。

逆に「運動中のトラッキングを本気でやりたい」「スマホの通知を手首で確認したい」。この場合はスマートウォッチのほうが満足度が高いです。

ぼく自身は、普段の健康管理はスマートリング、スポーツ時だけスマートウォッチという使い分けをしています。

まとめ

スマートリングにできること・できないことを整理しました。

画面がないと機能が少なそうに思えますが、実際は逆です。画面がないからこそ、常に着けていられる。

充電を気にする時間も短いし、サウナでも風呂でも外す理由がないし、2〜3gで着けていることを忘れる。結局このあたりが、データをちゃんと貯め続けられる理由なんだと思います。

「なんとなく気になってきた」という段階なら、まずは9機種を同時装着して比較した記事へ。どれがイメージに近いか調べてみてください。