スマートリングで結局何ができるのかよくわからないまま、なんとなく興味を持っている人は多いと思います。実際、ぼくも最初はこう考えており、「スマートウォッチで十分じゃね?」とすら思っていました。

そうは言っても使ってみないとわからないので、Oura Ring 4・SOXAI RING 2・RingConn Gen 2・Monomam Ring・b.ring G2・EVERINGと、市場に出回っているスマートリングをほぼ全種類使い込んできました。

この記事では、そのすべての体験をもとに「スマートリングにできること・できないこと」を整理します。購入前に読んでおくと、期待値のズレを防げます。

スマートリングが「できること」

睡眠トラッキング

Oura Ringの睡眠計測
Oura Ringの睡眠トラッキング画面

スマートリングの最大の得意技は、睡眠計測です。

睡眠時間や睡眠ステージ(浅い・深い・レム)、心拍数、HRV(心拍変動)、皮膚温度、SpO2、呼吸数まで、指につけたまま寝るだけで記録してくれます。RingConn Gen 2など、製品によっては睡眠時無呼吸のモニタリングまでできます。

RinnConnのアプリ
RinConnの睡眠時無呼吸モニタリング画面

スマートウォッチで睡眠トラッキングしていた頃、手首にゴツい塊をつけたまま寝るのがどうしても苦手で、気づいたら外して寝ていました。スマートリングに変えてからその問題がなくなりました。数グラムの指輪なので、着けていることを忘れます。だから結局、毎日ちゃんとデータが残るんですよね。

睡眠スコアとして数値化してくれる製品がほとんどで、「昨日はよく眠れたか」が起きてすぐアプリで確認できます。

心拍数・HRV・SpO2の24時間計測

光学式PPGセンサーが搭載されており、日中も夜間も継続的に心拍数を計測します。HRV(心拍変動)は自律神経の状態を示す指標で、回復度合いやストレスの管理に使われます。

RingConnのアプリその②
RingConnのバイタルサイン画面

血中酸素濃度(SpO2)も計測できる製品がほとんどです。これは高山病の兆候や睡眠時の無呼吸と関連するデータで、日常生活では「体が酸素をちゃんと使えているか」の目安になります。

スマートウォッチでも計測できる項目ですが、指の方が皮膚密着度が高く、計測精度が安定しやすい構造的な優位性があります。

SpO2とは?

血液中の酸素の割合を示す数値で、正式には経皮的動脈血酸素飽和度といいます。

簡単にいうと、血液がどれくらい酸素を運べているかを見る指標です。

  • 通常は 96〜99%前後が目安
  • 90%を下回ると酸素不足が疑われ、注意が必要
  • 睡眠時無呼吸では、呼吸が止まることでSpO2が下がることがあります

測定は、指先などに「パルスオキシメーター」という小さな機械をつけて行います。痛みはありません。

皮膚温度・呼吸・ストレスの計測

SOXAI RINGのアプリ
SOXAI RINGのストレス計測

皮膚温度センサーが搭載されている製品では、体温の微細な変動を記録できます。体調の変化や月経周期の予測に活用できます。

呼吸数もトラッキング対象です。SOXAI RING 2では、睡眠中の呼吸の乱れを検知する機能があり、特定の日に呼吸数が乱れているのが見えて、生活習慣を見直すきっかけになったことが何度もあります。

ストレス指標も多くの製品が対応しています。HRVをもとにアプリが計算するもので、「今日はストレスが高い」と気づかせてくれます。

歩数・活動量の計測

加速度センサーによる歩数計測は、ほぼすべてのスマートリングが対応しています。消費カロリーの推定もできます。

b.ring G2にはカロリーAI(beta版)という珍しい機能があり、料理を撮影するだけでタンパク質・脂質・炭水化物・その日の残り摂取可能量を自動計算してくれます。外食が多い人には刺さる機能です。

b.ringのアプリ
b.ringのカロリーAI画面

運動記録(製品による)

Monomam Ringでは19種類のエクササイズモードに対応しています。ウォーキング・ランニング・水泳など、運動の種類を選んで記録できます。

Monomam Ringアプリ画面
Monomam Ringのアプリ画面

ただし、スポーツ中の計測精度という点では正直スマートウォッチに軍配が上がります。理由はシンプルで、スマートリングには画面も物理ボタンもないため、運動中に種目を切り替えたり、ラップを取ったりする操作ができないからです。「なんとなく記録される」で十分な人には問題ありませんが、フィットネス本気勢には向いていません。

サウナ・お風呂・プール(防水性能)

スマートリングの防水性能は高く、100m防水対応(SOXAI RING 2、Oura Ring 4)、IP68(RingConn Gen 2)、IP68 + 5ATM相当(b.ring G2)と、いずれも水場全般で使えます。サウナも含めて基本的に濡れることを気にしなくていい製品ばかりです。

これがスマートリングの大きな強みのひとつです。サウナや銭湯で「腕時計は外してください」と言われることがある一方、指輪は誰にも気づかれません。見た目はただのリング。サウナ中も計測が続きます。

サウナに行った日は睡眠の質が上がる傾向も計測データで確認できて、スマートリングを持ってサウナに通う理由がひとつ増えました。

この内容は気になる方も多いと思うので、詳細に関しては下記の記事でまとめています。

スマートリングはサウナやお風呂にも最適のウェアラブル端末だった話 のサムネイル

スマートリングはサウナやお風呂にも最適のウェアラブル端末だった話

SOXAI RING 2をサウナ・お風呂・プールで1ヶ月使った体験レビュー。100m防水で濡れを気にせず、指輪なので施設で注意されない。サウナ後の睡眠スコアが上がる発見まで正直に書きます。

非接触決済(EVERING)

EVERINGは少し異色のスマートリングです。ヘルスケア機能は一切なく、Visaタッチ決済に特化しています。コンビニや外食で手をかざすだけで支払いが完了します。

EVERINGアプリ画面
EVERINGアプリ画面

スマホを取り出す手間がまるごとなくなるのは想像以上に快適で、特にカバンの中からスマホを取り出す手間が多い人には刺さります。充電も不要で、アクティベーションから約3年間そのまま使えます。

EVERINGに関してはこちらの記事で詳細を紹介しているので、気になる方は読んでみてください。

EVERING NEON BUZZレビュー|リング型クレカの正直な使用感 のサムネイル

EVERING NEON BUZZレビュー|リング型クレカの正直な使用感

EVERING NEON BUZZを実際に購入して使用。充電不要のリング型タッチ決済の使い勝手、Oura Ringとの違い、セットアップの落とし穴まで体験ベースで解説。1万円台で買えるサブ決済の新しい選択肢です。

AIによる健康コーチング

Oura Ring 4では、睡眠スコア・活動量・ストレス指標をもとに、行動提案をAIがコーチング形式で届けてくれます。RingConn Gen 2もアプリのAI解析でパーソナルな改善提案を行います。b.ring G2にはAIチャットボット機能もあります。

数値を見せるだけで終わるのか、「じゃあ次どうする」まで提案してくれるのか。ここは製品によってけっこう差が出ます。

スマートリングが「できないこと」

画面への通知表示

スマートリングには画面がありません。スマートフォンの通知(LINE・メール・着信など)をリング上で確認することはできません。

これはスマートウォッチとの根本的な違いです。データの確認はスマートフォンのアプリを開いて行います。

バイブレーションアラーム

スマートウォッチの目覚ましは振動で手首をそっと叩いてくれるので、隣で寝ているパートナーを起こさずに済みます。スマートリングにはバイブレーターが搭載されていないため、この機能はありません。

スマートリングとスマートウォッチ
スマートアラームという点ではスマートウォッチが優れている

スマートリングに乗り換えてから、唯一スマートウォッチに戻りたくなる瞬間が「朝のアラーム」です。スマホのアラームを使えば解決はしますが、静かに自分だけ起きる体験はできません。

GPS計測

現行のスマートリングはGPSを内蔵していません。ランニングやサイクリングのルートを記録したい場合は、スマートウォッチかスマートフォンが必要です。

「移動ルートを地図上で可視化したい」「ペース計測をしながら走りたい」という用途には向いていません。

精密なスポーツトラッキング

画面・ボタン・GPSがないため、スポーツ本気勢のニーズには応えられません。ランニングのラップタイム、インターバルトレーニングの管理、水泳のストローク数計測など、フィットネス特化の用途はスマートウォッチが圧倒的に上です。

スマートリングでできる運動トラッキングは「したことを記録しておく」レベルです。計測しながら運動を制御したい人には不向きです。

充電中の着用

スマートリングは充電中に外す必要があります。充電ケースに入れるタイプや、専用ケーブルで充電するタイプなど製品によって違いますが、充電中はデータが途切れます。

スマートリングの充電
こんな感じで充電します。

バッテリー持ちは製品により最大7〜14日程度あるので、「毎日充電が必要」ということはありません。入浴のタイミングで充電するルーティンを作れば、ほぼ意識しなくなります。

Bluetooth通話・音楽操作

スマートウォッチの上位モデルはBluetoothで通話できたり、音楽を操作できたりします。スマートリングにはこれらの機能はありません。

スマートリングとスマートウォッチ、どちらを選ぶか

この比較、よく聞かれます。簡単に言うと「何を優先するか」で決まります。

項目

スマートリング

スマートウォッチ

睡眠トラッキング精度

◎(着けたまま寝やすい)

△(手首の圧迫感で外す人も)

24時間の計測継続率

◎(存在を忘れる軽さ)

△(充電や装着感で外す機会あり)

スポーツトラッキング

△(記録のみ)

◎(GPS・画面・ボタンあり)

通知確認

バイブアラーム

サウナ・お風呂

◎(見た目が普通の指輪)

△(施設によって注意される)

着け心地

◎(2〜3g)

△(30〜50g程度)

「スマートウォッチを着けて寝るのが苦手で、睡眠データを正確に取りたい」という人には、スマートリングが圧倒的に向いています。

逆に「運動中のトラッキングを本気でやりたい」「スマホの通知を手首で確認したい」という人は、スマートウォッチの方が満足度が高いです。

ぼく自身は、普段の健康管理はスマートリング、スポーツ時だけスマートウォッチという使い分けをしています。

まとめ

スマートリングにできること・できないことを整理しました。

画面がないと聞くと機能が少なそうに思えますが、実際は逆で、画面がないからこそ常に着けていられます。充電を気にする時間も短いし、サウナでも風呂でも外す理由がないし、2〜3gの軽さで着けていることを忘れます。結局このあたりが、ヘルスケアデータをちゃんと貯め続けられる理由なんだと思います。

「なんとなく気になってきた」という段階なら、まずは僕が購入したスマートリング5製品の比較記事を読んでみて、どれがイメージに近いか調べてみてください。